IPW2018 レポート
IPW2018 にジャーナリストとして参加
IPW 2018 にジャーナリストとして参加させていただいた。IPWとは、アメリカ国内の旅行サプライヤーと世界約70カ国からのバイヤーやメディア・ジャーナリストが3日間にわたり商談をするコンベンションである。参加者は6000人を超える規模。
開催地は毎年異なり、今年の開催地はコロラド州デンバーで、会場はブルーベアで有名なコロラド・コンベンション・センター。
開催地 デンバー
デンバーはロッキー山脈の東麓、標高1マイル(1600m)にある都市でマイルハイ・シティ(Mile High City)と呼ばれている。コロラド州最大の都市で州都である。
街の起源は19世紀中ごろのゴールドラッシュ時に交通の要所の一つとしてできた町である。
スポーツが盛んでNFL デンバー・ブロンコス、MLB コロラド・ロッキーズ、NBA デンバー・ナゲッツ、NHL コロラド・アバランチと、アメリカの4大メジャースポーツの全てのリーグのチームが本拠地を置いている。特にNFLのデンバー・ブロンコスは、ここ10年内のスーパーボウルにおいて2回進出し1回制覇を果たしている強豪チームの一つである。
食文化の水準も高く、LOHASの発祥の地ボルダ―が近隣にある事から「ファーム・トゥ・テーブル」のレストランが多い。また、ロッキーの清水の恩恵を受けマイクロブリュワリーも多く、個性的で美味しいビールを飲むことができる。
数多くのミュージシャンがカバーしている「カントリー・ロード」の作者でシンガーソングライターのジョン・デンバーはデンバーの街が大好きでステージネームをジョン・デンバーにした。
デンバーは岐阜県高山市と姉妹都市提携を結んでいる。
コロラド・コンベンション・センター
デンバーのダウンタウン、14thストリート沿いに位置する。メインストリートとなる16thストリートから2ブロックの距離なので徒歩で5分程の好立地。コロラド・コンベンション・センターは、1990年にオープンした後に更に拡張された。最大の特徴はコロラド・コンベンション・センターを覗き込む巨大なブルーベア。
プレスブランチ
日曜日の午前にプレスブランチという多くのジャーナリストが集まるイベントがある。現地の名産品や料理を食べたり、地産の飲み物を飲むことができる。単純に美味しいものを楽しめるイベントだが、現地の食文化を知ることができる重要なイベント。デンバーの食文化の全てを知ることができる訳ではないが、ここに多くのモノが集まっていて、あちらこちらに食べ歩きに出かけなくても良いのはありがたい。野菜や肉、川魚は地産のもので、特に野菜は新鮮で美味しい。デンバーの食文化のレベルの高さを感じる事ができた。
遠目に見た時はスイーツに見えていたが、手に取るまえによく見るとグリーンアスパラのような気がした。
実際に口に入れると、シャキっとした歯ごたえと、グリーンアスパラ特有の爽やかな香りがした。アスパラの周りについている食材も絶妙で、鶏皮のクランブルやゴマをグリーンストロベリーのジャムかペーストで付着させている。削ったチーズはチーズ臭はほとんどなくクリーミーなアクセントとなっている。鶏皮のクランブルやグリーンストロベリーなどは、記載された幕があるのであとで分かったが、食べただけでは「美味しい!」としか言いようがなかった。
パッと見はハンバーガーだが、これも未知の味覚で衝撃を受けた。馬肉ソーセージにグリーンストロベリー・ハラペーニョ・ジャムを塗ってバターミルク・ビスケットで挟んだもの。
口に入れただけでは、この3つの食材が何なのか一つも当てることができなかった。3つともそれぞれに美味しいが、かぶりついて同時に口に入れた時の味覚は格別。見た目が地味なだけに衝撃度は大きかった。
プレスツアー
ブランチ後に現地ツアーがいくつか用意されていて、参加することができる。ロッキーでの乗馬やカヤックなどのデンバーらしい大自然の中でのアウトドア系のアクティビティは直ぐに満席となっていた。空いていたいくつかのツアーの中からダウンタウンのウォーキングを選んで予約していた。ダウンタウンの中でも LoDo という地区がホットなエリアである事は知っていたので、LoDo の文字につられて申し込んだ。
今回は歴史的な建物やお店を巡るツアーだったので、ホットなエリアという感覚はほとんどなかったが、デンバーの良さを目の当たりにできた。
Media Marketplace
アポイントを取ってるサプライヤーのデスクに行って、様々な情報や資料を入手する。主に現地の観光局様を訪問した。特に日本に事務局が無い観光局様からいただいた情報は貴重で、Link-USAに反映させたい。
また、ある程度の情報掲載をしている観光局様にもサイトの現状を確認いただき、掲載できていないポイントの情報を頂けたのもありがたかった。
Press Conference
観光局様が開催するカンファレンスに参加した。どれもが日本人観光客にとって馴染みのあるディストネーションなので参考になった。
最後のカンファレンスは来年のIPWの開催地であるカリフォルニア州アナハイム。気合の入りようは半端ではない。ディズニーやナッツベリーファームといったテーマパークがある場所である。また、スポーツに於いては、大谷翔平選手が所属するMLBのエンゼルスの本拠地があるので注目のディストネーションである。
そして、東京オリンピックのサーフィンで日本人としてエントリーが決まっているカノア五十嵐選手のホームグラウンドのハンティントン・ビーチはアナハイムの中心地から車で20~30分の場所である。
Evening Event Red Rocks Park & Amphitheatre
打ち上げのイベントはデンバーで最も有名なコンサート会場 Red Rocks Park & Amphitheatre で行われた。
ビートルズがアメリカツアーで演奏した会場の一つである。
レッドロックに囲まれた野外ステージの向こう側にデンバーのダウンタウンが見える。こんなに美しいコンサート会場は今までに見た事が無い。青い空の下に堂々とそびえるレッドロックスが、時間が経つにつれ夕陽で赤みを増していく。その頃にはデンバーの街にも灯がともり始める。
出演はコロラド州コロラドスプリングスで結成され、グラミー賞にノミネートされたこともある実力派グループワンリパブリック(OneRepublic)。ここは勝手知ったるホームグランド。一気に会場を興奮の坩堝に引き込んで、圧倒的なステージパフォーマンスを披露した。
今回、初めてIPWに出席して驚いたのは、常に音楽が溢れている事であった。
毎夜のイベントやレセプションはもちろん、ニューオリンズのカンファレンス前にはニューオリンズジャズのバンドが生演奏したり、昼食時に80年代に一斉風靡したニューウェイブバンドのB-52′sや、サンタナに楽曲を提供して競演し、グラミーを受賞したロブ・トーマスがステージで素晴らしいパフォーマンスを披露していた。
アメリカは街に音楽が溢れている。世界中で音楽と観光の親和性の高い国はダントツにアメリカであることを痛感した。アメリカにおいて音楽は観光資源の一つである。Link-USA でも今年は音楽に関する記事を増やそうと思った。
写真&文 : Link-USA 西岡