「ピマ航空宇宙博物館」へ来ています。

屋外に展示されている飛行機を見学です。実際に飛行機に触れたりすることができます。飛行機マニアのUS太郎は興奮どころか発狂気味です。さて、この博物館には米大統領を輸送した飛行機も展示されています。これはアイゼンハワー大統領が搭乗したコンステレーションという機体です。コンステレーションとはロッキード社が開発した大型4発プロペラ機で、流線型のボディ、長い脚がとても美しい飛行機です。

大型レシプロ機、ダグラスDC-6型機をベースに開発されたVC-118という機体です。ケネディ大統領やジョンソン大統領が搭乗した飛行機です。この機体は、現在の「エアーフォースワン」(※)でお馴染みの塗装になっています。
(※)「エアーフォースワン」というのは、米大統領が搭乗した航空機に与えられるコールサインです。現在では、ボーイング747(通称ジャンボ機)を改良したVC-125というのがよく使用されています。しかし「エアーフォースワン」という名前の飛行機は存在せず、大統領が米空軍所有の飛行機に搭乗すれば、ヘリであろうが輸送機であろうが「エアーフォースワン」というコールサインが与えれます。民間旅客機に大統領が搭乗すれば「エグゼクティブワン」、海軍の航空機に乗れば「ネイビーワン」になります。

さて、このVC-118は機内見学も可能です。タラップを上って、キャビンへ出撃です。

写真でもおわかりの通り、通路以外は透明なプラスチックの板で囲まれています。この写真はキッチンです。我が家のキッチンよりも立派でビックリしました。飛行機の中で、色んな料理が作れそうです。

コックピットです。このVC-118の原型となったDC-6という機体は、約半世紀前に世界中で活躍していました。日本でも、日本航空が国際線の主力機として導入しました。東京-ホノルル-
サンフランシスコなどの花形ルートに投入され、日本航空の国際線デビューに貢献した飛行機でもあります。その他、ノースウエスト航空をはじめ世界各国の航空会社も、日本路線に投入していました。戦後、日本の航空業界の国際化に貢献したといっても過言ではありません。

マーチン4-0-4という双発レシプロ機です。これはマーチン2-0-2という機体を改良したタイプです。話は逸れますが、マーチン2-0-2という機体は、日本航空が一番最初に就航させた機種でもあります。当時、ノースウエスト航空が日航便として委託運航していました。三原山で墜落した「もくせい号」も、このマーチン2-0-2です。マーチン4-0-4自体は、日本での導入実績はありません。

これはヴァイカウントという4発ターボプロップ機です。英国製の旅客機で、日本でも全日空が導入したお馴染みの機体でもあります。当時、日航と全日空は国内線のスピード合戦を行っていました。ヴァイカウントはロールスロイス製のターボプロップを装備しており、日航が使用していた旧式のDC-4型機とはスピード面、快適性、騒音面から、歴然の差をつけました。

左側の飛行機はフランス製のカラベルという機体です。流線型の美しいボディに、写真では見づらいですがおむすび型の窓が特徴的なジェット旅客機です。胴体は、世界初のジェット旅客機、英国のデハビランド・コメットのものを流用しています。日本の航空会社では導入実績がありませんが、台湾の中華航空などが日本路線に投入していました。

アイゼンハワー搭乗機でもご紹介した、コンステレーションです。こちらは、トランスワールド航空(TWA)が使用した民間機です。コンステレーションの計画は、このTWAによって開始されました。大富豪でお馴染みの、ハワード・ヒューズも開発に携わっていました。フランク・シナトラのアルバム、「Come Fly with Me」のジャケットにも登場し、美しいフォルムの機体は今なお人気のある飛行機でもあります。

そんなコンステレーションを見上げてみると、鳥が羽を休めていました。飛行機で休む鳥、なんとも和む光景でもあり、人間は鳥に憧れて空へ挑んできた、という歴史をふと感じることができました。人間が飛行機がないと空を飛べません、自由に空を飛べる鳥がちょっと羨ましいな、なんて感慨に耽りました。
次回 ⇒ マニア的航空博物館ルポ2 に続く