River of Music Party フェスへ
ケンタッキー州オウエンズボロ、ダウンタウンにあるブルーグラス博物館、IBMM から車で10分程の広大な敷地がある農場で River of Music Party (川の側のミュージックパーティー)フェスティヴァル、(以下ROMP)が開催されています。今年でわずか11年目の ROMPフェスは、博物館 IBMM が始めたフェスです。数千人規模だった ROMPフェスが過去四年間で急速に規模が大きくなり、今年は二万人以上の観客でした。

ROMPフェスでブルーグラスの街へ
IBMM館長であり、ROMPフェス代表のガブリエル・グレイが言っていました。「地元の男の子達が私のところにやって来て言ったの。”今まではなんてダサイ田舎なんだろうと思ってたけど、この ROMPのお陰でブルーグラスが大好きになったし、オウエンズボロが超クールな街だって自慢出来るようになったよ!!”って。」
グレイはブルーグラスを活性化させるため、街の若い子達をコミュニティに参加させることに大成功。ブルーグラスで使われる楽器、バンジョー、フィドル(ヴァイオリン)、マンドリン、ギター、ドブロ、そしてベースを博物館が無料でレンタル提供し、オウエンズボロの学生達が学校の授業の一貫としてレッスンを受ける環境を提供した。ブルーグラスが家族で受け継がれていない家庭にもコミュニティとしてブルーグラスの種を撒いたのです。
世代を超えた一大パーティーに発展

フェス会場にはメインステージが一つ、その他にサブステージが一つだけあり、そこでは各楽器、そして歌やソングライティングのワークショップがプロのアーティスト達から受ける事ができます。たとえば楽器を弾くアマチュアの人たちがその場に一斉に集まり、プロのアーティストの話を聞きながら学び、質問ができます。

コミュニティという感覚の文化
ブルーグラス州ともいわれるケンタッキー州。古くさい、田舎というイメージを一新し、今の若者達に刺激的な環境を与えている、現館長率いる博物館には私も刺激を受けました。ブルーグラス発祥の地で学んだのは、ブルーグラスの文化はポピュラー音楽とは違い、コミュニティという感覚で動いている、ということです。

International Bluegrass Music Museum (IBMM)
ケンタッキー州のオウエンズボロのダウンタウンにある IBMM ではブルーグラスの歴史を学ぶ事ができます。ブルーグラスの歴史と現在が一望できるように様々な資料が展示されています。
http://www.bluegrassmuseum.org
国際ブルーグラス博物館 International Bluegrass Music Museum の場所
117 Daviess St Owensboro, KY 42303
筆者 プロフィール
井上ゆい子
東テネシー州立大学卒業。ブルーグラス音学科がある同校でブルーグラス特待生として4年間を過ごす。
帰国後、北米からミュージシャンを招聘しブルーグラス音楽を日本で紹介するため奔走中。 http://www.ann-grassroots.com/
次回 ⇒ MIPSOに会いにルイビルへ に続く
# 1 | 旅の目的 |
# 2 | テネシー州からケンタッキー州へ |
# 3 | River of Music Party フェスへ |
# 4 | MIPSOに会いにルイビルへ |
# 5 | フィドラー ケイシー・ドリーセンを尋ねて |
# 6 | フロリダ州ヴィロ・ビーチ Mike Block String Cam |
# 7 | Lake House |
# 8 | 日本人陶芸家でバンジョー奏者に会いに |