ボストンへレンタカーの交換に行く

5月27日 アメリカ9日目
朝4時起き!
「時差ボケ」もあるが、「爺さんボケ」もある。
私ら初老の二人(江戸時代ならとっくに寿命…)、遅くまで起きているのは無理だが早起きに関してはNo Problem 。
エアコンのつぶれた「白身号」(ナンバープレートが“463”)を交換に行く為なら、早起きなんて何のその。
Life is Good Morning! なのだ~!
朝の渋滞を避けて早々とボストンのLogan Airport(通称:老眼空港)のレンタカー屋に向かう。
早起きのおかげでハイウェイ95をスイスイと南下し、1時間もしないうちに到着。
レンタカー屋へエアコンの故障した車を持ち込む
レンタカー屋の駐車場に「白身号」を持ち込む。
黒人のごっつい兄ちゃんにエアコンが壊れたことを告げると助手席に乗っている私の横の運転席にどか~んと乗り込んできてあれやこれやとエアコンを操作してみる。
が、やはり何をしても冷風は出ず。。。
で、なんか証明書を書いてくれ、それを持って貸し出しのカウンターへ。

「白身号」に代わり新たに貸してくれた車のナンバーは、「151 ZB2」。
これは即座に「いこい ザビ2号」と名付けられたのは言うまでもない!

なんとこのフォード、走行距離がまだ7マイル(約11Km)しか走っていないピカピカの新車!
災い転じて、新車となる~~なのだ!

カーステレオにはサテライト・ラジオ(?)も付いており、「Classic Vinyl」というチャンネルに合わせると60~70年代のクラッシック・ロックが流れてくる(しかもディスプレイに流れている曲名や演奏者名まで表示される)。
懐かしのロックをガンガン聞きながら、涼しいエアコンの風に吹かれ生き返る!
こうなりゃ、朝の渋滞の激しくなるボストン市内を離れてコーヒーブレイクだ!

と言う訳で、
またアメリカ初日の晩と二日目の朝に行ったボストン郊外ソーガスのマクドナルドへ!
Wi-Fi電波をむさぼり、カップになみなみつがれたコーヒーをすするのであった。
アン岬にある港町 グロスターへドライブ

「よっしゃ~!エアコンも効くし、音楽もガンガンやし、大西洋でも見に行くべ~!!」
という事で、ボストンの北東に突き出た半島、アン岬にある「グロスター(Gloucester)」という港町にドライブに行くことに。

この町は「アメリカ最古の海港」とも言われているそうで、2000年に上映された「パーフェクト・ストーム」という映画の舞台になり、撮影もここで行われたそうだ。

グロスターの海岸沿いには「Stage Fort Park」という整備された公園があり、アメリカ東海岸に来て9日目にして初めて大西洋を見た!!

そっか、この海の遥か向こうはヨーロッパ大陸なんだ~~!
もちろん見えるはずなどないけれど…、心は遠~くヨーロッパ大陸を想う。
ふっと高知の桂浜で太平洋を見て、遥かアメリカを夢見た坂本龍馬を思い出す。

1620年に最初のイギリス人達が「メイフラワー号」でこの大西洋を渡って、アメリカのボストンあたりの海岸に辿り着き移住を始めた。
それでマサチューセッツ州・ニューハンプシャー州・メイン州・コネチカット州・バーモンド州・ロードアイランド州の東海岸にある6州を「ニューイングランド」地方と言うのだそうだ。
イギリス人にとっては「新しいイングランド」、まさに「新天地」だったのだろう。
それから先住民インディアンとの壮絶な戦いもあり、今のアメリカの歴史が始まったところなのだ。
ここグロスターも1623年頃からイングランド人達による開拓が始まったようだ。


アメリカの独立戦争の時代のものだろうか?
詳しい歴史は分からないが、いろいろな物語がこの町にもあったことは想像できる。
Music Emporium というギターショップ

そんなアメリカの歴史を少しだけ肌で感じながら…
今日はボストン市内でどうしても行きたいところがある!
信二郎に無理言っておねだりし、再びボストン市内に連れて行ってもらった。

4歳からアメリカに住んで地元バークリー音楽院でギターを学んだ「豊田渉平」くんがボストンに行ったら是非「Music Emporium」というギターショップに行ってみるといいよ!
と、奨められていたのだ。
今回のボストン来訪で、この楽器屋さんだけは外せなかった!
Music Emporium の店内

11時の開店と同時に、入店。
外から見るとそんなに大きく感じないが、中に入ると壁一杯のギターやバンジョーやマンドリンがズラリとならんでいる。
片言でお店の人と話すと、やはりDakotaさんのことはよく知っているようだ。
Fairbanks Guitar を試奏


これがまたエエ音なのよね~。
新品なのにヴィンテージのような枯れた音。
さりとて低音はしっかり出て、非常にバランスが良い。
古いGibsonをよく研究されて、見た目もとても味わい深いのだ~~!

*写真:Dakotaさんが来日時に使っていた黒いギターもFairbanks Guitarです。

しかし今回は信二郎が心臓の手術後まだ2ヶ月半で体力的にもちょっと心配なので、諦めていた。
この日ちょうどお店に入る直前に本当に偶然にもDakotaさんからメールが来て、「工房行きが無理ならぜひボストンのMusic Emporiumに行ってみて下さい。Fairbanksさんも頻繁にそのお店に行っているから、運が良ければ会えるかもしれないよ~」とのこと。
「えっ!今、まさにそのお店の前にいるんだよ~」と返信すると、急いで彼のこの日の予定を当たってくれた。
残念ながら…今回はお会いすることは出来なかったが、そんなこんなでDakotaさんの取り計らいで直接Fairbanksさんとお知り合いにもなれた。
見知らぬ初めての土地で、私ごときのために色々動いてくれる方がいるのは心強いものだ!
また次回機会があれば是非、Fairbanksさんのギター工房にも訪れてみたいなぁ~。

Fairbanksの粒の揃った素晴らしい音のギターを弾き出すと、止まらなくなってしまう。
そして情が移ってしまう。。。

危うく日本まで連れて帰りそうな衝動をなんとか押さえ、お店のオリジナルTシャツだけを購入して丁重にお店を出ることにする。
Fairbanksさんとは知り合いになれたので、いつかお金が貯まったらまた直接相談してみよう~っと!
そんな熱くなった思いを、エアコンがガンガン効く「いこいザビ2号」で冷やしながらキッタリーへ戻る。
今日も楽しい一日だったなぁ

アメリカの歴史とアメリカのギターに酔いしれながら…
日本から持ち込んだサンマの蒲焼きと筑前煮などをアテにビールとバーボンで酔っぱらう。
今日も楽しい一日だったなぁ。
Life is Guitar!
次回 ⇒ ザビエル大村のニューイングランド見聞録 ~念願のワークブーツ購入~ に続く
ザビエル大村 プロフィール

爆風スランプのドラマーファンキー末吉氏に見出され、2000年に「三井はんと大村はん」でキングレコードよりデビュー。
その後「三井ぱんと大村はん」と改名し、”涙と笑いの浪漫ショー”をコンセプトに全国のライブハウスで活動中。
ソロミュージシャンとしても2009年に日本のアコースティックギター界のレジェンド「中川イサト」氏プロデュースによるコンピレーションアルバム『Daybreak 2』に参加。現在も中川イサト氏と共に日本中のライブハウスで演奏活動を続けるかたわら、 全国各地で開催される「中川イサト・ギターセミナー」の准教授役としてセミナーをサポート。
個人でもギター教室を開催し、絶滅危惧的なラグタイム&ブルースギターなどの啓蒙・継承・普及に心血をそそいでいる。
53歳にして初めてのソロアルバム『Good Time Tonight』をリリース。
2014年よりアメリカ・ミネアポリス在住のギタリスト「Dakota Dave Hull」氏と一緒に、日本ツアーを行う。
2015年4月よりNHK Eテレ「いないいないばあ」の「ゆきちゃんのおままごと」コーナーの音楽を担当。
<ザビエル大村 気まぐれ通信> http://www.eonet.ne.jp/~xavier-ohmura/index.html