ホノルルマラソン フルマラソンにエントリー

この日は、レンタカーではなく、オアフ島を自分の足で走ります。
走ると言っても、走るのは最初の10km程で、残りの30km程は歩きます。ホノルルマラソンは時間制限が無く、気楽にエントリーできるので、初マラソンがホノルルマラソンと言う方も多いです。僕も初めてのマラソンはホノルルマラソンでした。

今回は、なにわの民族衣装を着て走ります。今年、僕が大好きだった石田長生さんというミュージシャンが癌でお亡くなりになりました。石田さんは、熱狂的なタイガースファンで、このユニフォームと同じようなカラーリング・カスタムしたギター(オベーション)を演奏していました。今回のホノルルマラソンは、石田さんのトリビュート・ランです。なんと、ホノルルマラソンのエントリーナンバーに725と、石田さんの誕生日(7月25日)が入っています。2年ぶりのフルマラソン。しかも、ここ最近はほとんどと言っていいぐらい運動をしていないので、記録は自信がありませんが、完走を目指します。
ホノルルマラソン 早朝にスタート

ホノルルマラソンのスタートは午前5時です。まだ真っ暗なうちにスタートです。僕たちは、4時頃にホテルから歩いてスタート地点に向かいます。スタート地点はアラモアナ・ビーチ・パークの前で、2.5kmぐらいあります。スタート地点へ向かう途中、多くの人があちらこちらのホテルや通りから出てきます。

僕らはスタートするまで20分ぐらいかかります。その間、花火を見ながらスタート地点へ移動します。

いよいよスタートです。しかし、最初に並んだ場所が悪く、この後に苦戦する事になります。
ホノルルマラソン 序盤

ホノルルマラソンのコースはアラモアナ・ビーチ・パークから西、ダウンタウンの方へ向かいます。ダウンタウンから折り返すようにしてキング・ストリートのイオラニ宮殿の前を走ります。イオラニ宮殿やカメハマハの像がライトアップされていますが、上手く写真に写りませんでした。キング・ストリートからカピオラニ・ブルーバードを経由してアラモアナ・ショッピングセンターの方に戻ってきます。このスタートから4マイル地点ぐらいまでが非常に混雑します。スタートの位置取りを目標タイム5~6時間の場所にしてしまった ために、スタート直後から歩いたり、2~3Km程度は走ってすぐに歩き出す人が多くて、先がつかえているためサイドステップを踏んで追い越さなければなりません。直線的に進めなかったり、スピードを押さえたり、追い抜く時にダッシュする必要があります。体力の消耗も激しくなるうえに、サイドステップを踏むので、足への負担が大きくなります。普通、目標タイム5~6時間の場所に居る人がスタート間もなく歩く事は考えられませんし、歩くなら端を歩くべきですが、コースの真ん中を堂々と歩いて居る人が多いのです。ホノルルマラソンは、歩く時は端に寄るというマナーを知らないようなお祭りランナーが多くて、その人たちが、スタート位置の意味が分かってなかったりして、割と前の位置からスタートしてしまうのです。その最も状況の悪い中をスタートしてしまいました。
カラカウア通り、カピオラニ公園、ダイヤモンドヘッド
アラモアナからカラカウア通りの方へ入ってくると、大手のマラソンツアーの応援が盛んです。道の両サイドで応援しているので、必要以上に賑やかで、個人エントリーのランナーにとっては正直うんざりした気分になります。カピオラニ公園の入り口付近が10km地点になり、デーウォークのゴールがあります。ここを超えると声援が減るので、スッキリします。しかし、このカピオラニ公園の入り口に差し掛かる頃に、ガックリする出来事が。今までは、ここを通過する時はまだ薄暗かったのに、今回はかなり明るいのです。かなり出遅れてしまっている証拠です。

また、暗いうちにダイヤモンド・ヘッド・ロードの上り坂を登った時は中央分離のテープを持っているのは成人男性がほとんどでしたが、今回はほとんどが高校生ぐらいの女の子でした。時間帯で交代しているのでしょうか?
因みに、この坂を登る時は、大手マラソンツアーの「がんばれー」の声援は全く聞くことが無く、地元ボランティアスタッフの「Good Job !」がほとんどになります。関西の大物芸人のトミーズ雅さんが「がんばれーって言われると腹立つねん。こっちは死ぬほど頑張ってるのに、どないせいっちゅねん」と言っていた意味がカラカウア通りを走っている時にひしひしと感じられます。それに引き換え「Good Job !」は、頑張っている事を認めてくれる言葉ですから素直に受け入れる事ができます。「がんばれー」は尻を叩かれている気分になりますが、「Good Job !」は、言葉に体が前に引っ張られる感じがします。

この写真は、ダイヤモンドヘッド・ルックアウト辺りで撮ったものです。2年前は、ダイヤモンドヘッドの裏のキラウエア・アベニューの所でサンライズを見たので、かなり遅れている感じです。ダイヤモンドヘッド・ルックアウトで朝陽を見るのは美しいにも関わらず、ちょっと悲しかったです。
カラニアナオレ・ハイウェイ

今まで、ハイウェイに登ったら、前しか見ていなかったので気付きませんでしたが、ここで記念撮影をしている人が結構います。記録に関しては、半分あきらめの心境のせいか、逆にこのような事に気付きました。しかし、意外と足は軽く、今までハイウェイで走ることはできませんでしたが、今回は軽く走ることが出来ました。もちろん、ハイウェイの制限速度の55マイル(約88km/h)は守りました(笑)
途中、ハイウェイ上でTVの中継車と並走する事になりました。写真はNGなので撮影しませんでしたが、赤井英和さんでした。かなり辛そうですが、懸命に早歩きで進んでいらっしゃいました。横を通るオジサンが「赤井はん!近大魂、見せたってや!」と声をかけると近畿大学でボクシングをしていた赤井さんは、「うおー!」っと雄たけびをあげました。体育会系気質ですね。

ハイウェイに上がって、2マイル(3.2km)ほど進むと、中間地点のサインが出ています。3:31の経過タイムです。20分遅れのスタートなので、実質3:10程で中間地点に来たことになります。という事は、6時間半を切ることが出来る?と一瞬、バカな事が頭をよぎります。前半の10Kmは走っていたので、後半でも最低10kmは走らなければ6時間半は到底無理ですね(笑)
そういえば、今までのベストタイムが6時間20分なのですが、その時は前半で20kmぐらい走りました。
現実的な計算をすれば、残りの21km程を時速4kmで歩くと5時間かかるので、自己タイムは8時間10分。時速5kmで歩くと4時間かかるので、自己タイムは7時間10分。少し走ることができれば7時間を切ることも可能かも。少し走ってみる事にしました。

ココヘッドが見えてきました。ハワイカイに近づいてきたという実感が湧いてきます。そして、マウナルア ベイ・ビーチ パークの所からハイウェイを外れてハワイカイ・ドライブを歩きます。
ハワイカイ・ドライブの給水場でゲータレードを受け取り給水します。その後に水を配っている所に行きました。何気に水を渡してくれた方が美人のような気がしたので思わず2度見しました。何と女優の相武紗季ちゃんです。「マジで?」と思った瞬間、近くでカメラを抱えた人が居たので確信しました。その場から離れたくない気持ちを断腸の思いで断ち切って進むことにしました。
その直後ぐらいに、足の裏に違和感を感じだしました。エイドセンターでワセリンを貰って足の裏に塗ってみます。

再び、カラニアナオレ・ハイウェイに入りますが、足の裏の違和感は痛みに変わりだしました。どうやら、足の裏に水ぶくれができているようです。それも、両足です。30km地点で、足の裏の痛みは強くなってきました。7時間を切るのは無理そうです。この地点からハイウェイを下りるまで5km以上あります。このハイウェイを戻る頃から疲れをはっきりと感じ出します。疲れた体に当たる直射日光が体力を奪っていくのが分かります。しかし、足の裏の痛みで足が前に進みません。足の裏を庇うために変な歩き方になっているのでしょうか、普段は痛くならない足首とその上の部分が痛み出しました。ハイウェイの後半は路肩で足を延ばしながら苦痛で顔をゆがめている人が目立ちます。みんな自分自身と戦っているのです。
カハラからダイヤモンドヘッド
ハイウェイを下りて高級住宅地のカハラを歩きます。足の痛みで全く余裕が無く、写真を撮る事すらできません。歩くのも普通の歩き方でないのが自分でも分かります。カハラの豪邸の前には、芝生が植わっている家が何件もあります。その芝生に座り込んだり寝転んだりしている人たちが居ます。僕も、座りたくなりますが、座ったら最後、再び立つ自信がありません。歯を食いしばって、歩きます。低速歩行なのに痛みで息が荒くなります。
カハラを抜けると、徐々に上り坂になります。最後の難関、ダイヤモンドヘッド・ロードです。足の裏のトラブルが無くても苦しい所です。どうにかダイヤモンドヘッド・ルックアウトまでたどり着いたところで気力が尽きました。家内に「ちょっと座る」と言ったら、景色を見るのだと思った家内は「そんなの、いつでも見れるやん」と言います。僕はもう限界でした。あと2kmなのでリタイヤはしませんが、足の裏の痛みで頭まで痛かったのです。少しだけ座りましたが、座れば歩く時の突き刺すような痛みは感じませんが、しびれるような鈍痛に変わります。歩くと痛いけど、先に進んでいる分、多少は景色が変わる事で気が紛れる部分もあります。しかし、座っていて感じる鈍痛は絶望感が襲ってきます。その絶望感を振り払うように歩きだしました。
歩き出して坂道を下りだすと足の裏の痛みが先ほどよりもひどくなり、再び歩けなくなり座りました。後で考えると、下り坂が最も水ぶくれができている所に荷重がかかっている状況だったのでしょう。痛みの範囲が広がりました。水ぶくれの範囲が広くなったのでしょう。
カピオラニ公園 ラストスパート

カピオラニ公園に入ってくるとラスト1km程です。通常だとラストスパートをかける直線です。この写真はテニスコートの横付近なので、ラスト500mです。ゴール付近の横断幕が見えてます。「あと少し」と自分に言い聞かせます。

テニスコートの横から見えていた横断幕に近づきました。なんと、横断幕からゴールはまだ向こうでした。今まではこのような事が気になりませんでしたが、今回の状況はちょっと違います。目がくらみます。でも、もう一つ向こうに見えているのは、ゴールの直前の横断幕のはずです。

“FINISH”と書かれたゴールのゲートが見えます。最後の直線で、多くの人に抜かれていきました。ゴールすれば、もう抜かれる事はありません。

やっとゴールできました。どうにか8時間は切ることが出来ました。正確な記録は7:38:11でした。残念なことに、ワースト記録です。精も根も尽き果てました。
このユニフォームのおかげでしょうか、多くの人に「タイガースがんばれー」と声援を頂きました。余裕のある時は「わかった!金本に伝えとくわー」なんて事を返してました。関西人らしき人は「たのむでー」と更に返してきます(笑) 時々、横を歩く人が「今年のタイガースはどうやろね」と話しかけてくる人も何人かいました。来シーズンのタイガースの事より、今の自分の事が心配でした(笑)

メダルは、以前のホノルルマラソンで貰ったものよりも立派でした。Tシャツの生地も良くなっていました。
⇒ 18.オアフ島 レンタカーの旅 2015 ホノルルマラソン 2 に続く
ホノルルマラソンのコース
ホノルルマラソンのコースの地図です、地点はおおよその場所になります。
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