アメリカーナ・トレイル テネシー州ブラウンズヴィル

16年01月18日
Link-USA

ティナ・ターナーの故郷へ


ティナ・ターナー・ミュージアム


ティナ・ターナー・ミュージアム
ティナ・ターナー・ミュージアム

テネシー州の州道19号線のブラウンズヴィルとナットブッシュの間は「ティナ・ターナー・ハイウェイ」という名称がつけられている。ナットブッシュはティナが生まれた町で、フラッグ・グルーヴ・スクールに通い1年生から8年生までを過ごしている。その後、両親の離婚、父親の再婚などで祖母と暮らすことになったティナはブラウンズヴィルに移り、ハイスクール時代をこの町で暮らした。このエリアにはティナの少女時代の足跡が多く残っているのだ。16歳の時に祖母が亡くなると、ティナはセントルイスに移り、早くもエンタテイナーとしてのキャリアをスタートさせた。前述のフラッグ・グルーヴ・スクールは長年朽ち果てた状態で放置されていたのだが、2012年にイノベーションを施し、ティナが勉強した小さな教室はブラウンズヴィルに移送され、現在は「ティナ・ターナー・ミュージアム」として一般開放されている。


ティナ・ターナー・ミュージアム

ティナのメモラビリアが数多く展示された館内には、おなじみの派手なコスチュームやゴールドディスクが並び、モニターにはライブ・ステージやこのミュージアムの横で撮影されたインタビュー映像が流されている。一番興味深いのは卒業アルバムである。10代のティナのモノクロ写真の横には、本名”Anna Bullock”の文字と並んで、将来の夢が”Entertainer”と記されている。少女時代のティナの表情は、アイク&ティナ・ターナー時代、ソロとして大成功を果たしたアクティブな時代よりも、辛酸をなめた激動の人生を経て悟りきったような、後年のティナの表情に近い。思わず見入ってしまった。


スリーピー・ジョン・エスティス・キャビン


スリーピー・ジョン・エスティス・キャビン

ティナ・ターナー・ミュージアムの横に小さな小屋があるが、これはブルースマン、スリーピー・ジョン・エスティスが暮らした家である。生年は1899年とも1904年とも伝えられ定かではないが、6歳の時に友人の投げた石が右目にあたり失明し、残った左目にも大きな障害が残った。彼は15歳の時にブラウンズヴィルで暮らすようになり、1930年代からはレコーディング・アーティストとして多くの作品を残している。しかしカントリー・ブルースの人気は1940年代には下火になり、ここブラウンズヴィルに戻り小作人として生計を立てる。この小屋はその時代に彼が暮らした家で、内部を見渡すと当時の厳しい暮らしぶりがうかがえる。


スリーピー・ジョン・エスティス・キャビン

1960年代に入ると、カントリー・ブルースの人気が再燃し研究者たちによる発掘が盛んになる。ここブラウンズヴィルで再発見されたスリーピー・ジョン・エスティスは再びレコーディングを始め、新たなロック世代にも大きくアピールし、なんと1974年には来日公演を果たしている。1976年には再来日が実現し、関西の人気バンドだった憂歌団とともにジャパン・ツアーを行った。この時の模様はライブ・レコーディングされ、後に映像化も実現した。日本での知名度も上がり、全盛時代の音源もリリースされたが、翌年には脳梗塞でこの世を去った。


エリック・クラプトンも彼の曲をレコーディング!


エリック・クラプトンも彼の曲をレコーディング!

ロック・ミュージシャンにも多大な影響を与えたスリーピー・ジョン・エスティスだが、彼が書いたもっとも有名な曲は、エリック・クラプトンの1983年のアルバム『Money & Cigarettes』のトップを飾る”Everybody Oughta Make A Change”である。見事なアレンジが施され、クラプトンのボーカルと、ゲスト参加しているライ・クーダーのスライド・ギターが冴え渡る最高にクールなブルースだ。あらためてテネシー州出身のミュージシャンたちの懐の深さを実感させられる。


エリック・クラプトンも彼の曲をレコーディング!

West Tennessee Delta Heritage Center
121 Sunny Hill Cove, Brownsville, TN 38012
TEL:(731)779-9000
http://www.westtnheritage.com
http://www.westtnheritage.com/flagggrove.html


ティナ・ターナー・ハイウェイ



つづく


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01.アメリカーナ・トレイル テネシー州メンフィス グレイスランド
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03.アメリカーナ・トレイル テネシー州メンフィス ビール・ストリート
04.アメリカーナ・トレイル テネシー州ブラウンズヴィル

著者紹介


桑田英彦 Hidehiko Kuwata


音楽雑誌の編集者を経て渡米。1980 年代をアメリカで過ごす。帰国後は雑誌、機内誌や会員誌などの海外取材を中心にライター・カメラマンとして活動。世界30カ国を旅して、観光地だけでなく、ライフスタイル、グルメなどを取材。またアメリカ、カナダ、ニュージーランド、イタリア、ハンガリー、ウクライナなど、海外のワイナリーを数多く取材。著書は『ワインで旅する カリフォルニア』『英国ロックを歩く』(スペースシャワーネットワーク)、『ミシシッピ・ブルース・トレイル』(スペースシャワーネットワーク)、『ハワイアン・ミュージックの歩き方』(ダイヤモンド社)、『アメリカン・ミュージック・トレイル』(シンコーミュージック)等。


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