広大なゴーストタウン・ボディ州立歴史公園と神秘のモノレイクへ
レポート:白石あづさ
ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

アメリカの歴史はゴールドラッシュと共にある。この旅ではそう実感することがしばしばありました。金塊が出たというマンモスレイクの近くの山のなかに、やはりかつて金で沸いた古い街、ボディがあるというので寄ってみました。古い街といってもすでに誰ひとり住んでいないゴーストタウンです。

ガタゴトと曲がりくねった山道を車で進んでいくと、開けた山のなかに突然、木造住宅の町が現れました。崩れかかった家ばかりが並んでいるのかと思ったら、さすが乾燥地帯、まだだれか家のなかから出てくる気配がするほど、きれいに保存されていました。日本だったら、湿気で土にかえってしまうでしょう。

しかし、家の中をのぞいてみれば、止まった時計やホコリをかぶった机やイスなどが当時の生活のままに置かれ、主の帰りを待っているかのようです。


しかし、金塊の話を聞いた人々がどんどん押し寄せ、採掘する人夫が住み始めれば、ホテルや食堂、そして病院や教会も建ち、ケーキ屋さんに美容院、そして学校と、どんどん街が発展していきました。それから1962年に最後の一人が街を出るまで、最盛期には2千軒の家が立ち並び、1万人もの人がここで生活していたそうです。

赤茶けた山が見えるだけで、暑く乾燥してさみしい街。当時の人々はどんな思いでここに住んでいたのでしょうか。昼でも少し怖いゴーストタウン。時が止まったこの街は今では人気の観光地。きっとお墓のなかのボディさんが一番、びっくりしているに違いありません。
ピンク色に輝くモノレイク・トゥファ州立自然保護区へ

乾燥したボディの街を後にして、近くにある塩分の高い塩湖モノレイクへと向かいます。着いてみれば、湖面にはニョキニョキと白い柱が伸びています。これは周囲から流れ込んだ水に含まれている塩分が湖にたまり、溶け込んだカルシウムが石灰石の柱を作り出しているのだそう。

なんとも不思議な光景に見とれていると、カメラを持った人たちが大勢やってきました。ここは夕方にピンク色に染まることで有名で、その素晴らしい一瞬を切り取ろうと集まってくるそうです。

少しづつ赤く染まる大パノラマは忘れることのできない光景となりました。
⇒ 絶景のカリフォルニア 2016 ヨセミテ国立公園 につづく
01. 絶景のカリフォルニア 2016 デスバレー国立公園 |
02. 絶景のカリフォルニア 2016 マンモスレイク |
03. 絶景のカリフォルニア 2016 ボディ州立歴史公園とモノレイク |
04. 絶景のカリフォルニア 2016 ヨセミテ国立公園 |
05. 絶景のカリフォルニア 2016 キングズキャニオン国立公園&セコイア国立公園 |
白石あづさ プロフィール

ボディ州立歴史公園の場所と行き方
Bodie State Historic Park
ロサンゼルス国際空港からボディ州立歴史公園へ車(レンタカー)で行く場合の一例
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モノレイク・トゥファ州立自然保護区の場所と行き方
Mono Lake Tufa State Natural Reserve
ロサンゼルス国際空港からボディ州立歴史公園へ車(レンタカー)で行く場合の一例
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