絶景のカリフォルニア 2016 ボディ州立歴史公園とモノレイク

16年09月20日
Link-USA

広大なゴーストタウン・ボディ州立歴史公園と神秘のモノレイクへ


レポート:白石あづさ


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

アメリカの歴史はゴールドラッシュと共にある。この旅ではそう実感することがしばしばありました。金塊が出たというマンモスレイクの近くの山のなかに、やはりかつて金で沸いた古い街、ボディがあるというので寄ってみました。古い街といってもすでに誰ひとり住んでいないゴーストタウンです。


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

ガタゴトと曲がりくねった山道を車で進んでいくと、開けた山のなかに突然、木造住宅の町が現れました。崩れかかった家ばかりが並んでいるのかと思ったら、さすが乾燥地帯、まだだれか家のなかから出てくる気配がするほど、きれいに保存されていました。日本だったら、湿気で土にかえってしまうでしょう。


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

しかし、家の中をのぞいてみれば、止まった時計やホコリをかぶった机やイスなどが当時の生活のままに置かれ、主の帰りを待っているかのようです。


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディここに街ができたのは、アメリカがゴールドラッシュで沸いていた1858年、金脈を探していたボディさんがここで金塊を発見したことからです。ところがボディさん、残念ながら、その翌年に亡くなってしまいます。

ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

しかし、金塊の話を聞いた人々がどんどん押し寄せ、採掘する人夫が住み始めれば、ホテルや食堂、そして病院や教会も建ち、ケーキ屋さんに美容院、そして学校と、どんどん街が発展していきました。それから1962年に最後の一人が街を出るまで、最盛期には2千軒の家が立ち並び、1万人もの人がここで生活していたそうです。


ボディ州立歴史公園にあるゴーストタウン ボディ

赤茶けた山が見えるだけで、暑く乾燥してさみしい街。当時の人々はどんな思いでここに住んでいたのでしょうか。昼でも少し怖いゴーストタウン。時が止まったこの街は今では人気の観光地。きっとお墓のなかのボディさんが一番、びっくりしているに違いありません。


ピンク色に輝くモノレイク・トゥファ州立自然保護区へ


ピンク色に輝くモノレイク・トゥファ州立自然保護区

乾燥したボディの街を後にして、近くにある塩分の高い塩湖モノレイクへと向かいます。着いてみれば、湖面にはニョキニョキと白い柱が伸びています。これは周囲から流れ込んだ水に含まれている塩分が湖にたまり、溶け込んだカルシウムが石灰石の柱を作り出しているのだそう。


ピンク色に輝くモノレイク・トゥファ州立自然保護区

なんとも不思議な光景に見とれていると、カメラを持った人たちが大勢やってきました。ここは夕方にピンク色に染まることで有名で、その素晴らしい一瞬を切り取ろうと集まってくるそうです。


ピンク色に輝くモノレイク・トゥファ州立自然保護区

少しづつ赤く染まる大パノラマは忘れることのできない光景となりました。


絶景のカリフォルニア 2016 ヨセミテ国立公園 につづく


取材協力 ca-logo モノカウンティ


01. 絶景のカリフォルニア 2016 デスバレー国立公園
02. 絶景のカリフォルニア 2016 マンモスレイク
03. 絶景のカリフォルニア 2016 ボディ州立歴史公園とモノレイク
04. 絶景のカリフォルニア 2016 ヨセミテ国立公園
05. 絶景のカリフォルニア 2016 キングズキャニオン国立公園&セコイア国立公園


白石あづさ プロフィール


白石あづさ日本大学芸術学部卒業後、3年間の世界一周旅行を経て旅行ライター・カメラマンに。旅雑誌や週刊誌などに旅行記や写真を掲載。著書に「世界のへんなおじさん」(小学館)がある。世界の動物の肉料理エッセー「世界のへんな肉」(新潮社)が10月末(2016年)に刊行予定。現在、グルメ雑誌「おとなの週末」にて「白石あづさの日本の珍祭・奇祭」を連載中。

ボディ州立歴史公園の場所と行き方


Bodie State Historic Park 
ロサンゼルス国際空港からボディ州立歴史公園へ車(レンタカー)で行く場合の一例

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モノレイク・トゥファ州立自然保護区の場所と行き方


Mono Lake Tufa State Natural Reserve 
ロサンゼルス国際空港からボディ州立歴史公園へ車(レンタカー)で行く場合の一例

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