ペイズリーパーク Paisley Park

17年10月26日
Link-USA

ペイズリーパーク 偉大なるプリンスの博物館


ペイズリーパーク

2016年4月に亡くなった、アメリカを代表するミュージシャンの一人、プリンスPrince)の自宅兼スタジオが、2016年10月に博物館としてオープン。 ミネソタ州を代表するミュージシャンにボブ・ディランの名前が挙がることも多いが、ミネアポリスに拘ったプリンスは、紛れもなくミネアポリスのアイコンであり、ペイズリーパークミネアポリスのランドマークの一つである。
ペイズリーパーク館内には実際に使用していた楽器や衣装、プリンスが受賞した各賞のトロフィーやゴールドディスク、ゆかりの品々が展示されている。
また、数々の名作がレコーディングされたスタジオを見学する事ができる。
ただし、自由見学は許されておらず、事前にオンライン予約(現地申込は出来ない)をして、ガイド同行のツアーに参加して見学することになる。
館内は、一切の撮影や録音は禁止されているので、機材の持ち込みは不可である。
ツアーは、約70分の General Admission($38.50)、約100分の VIP Tour($100.00)、3時間かけてじっくりと見学ができる The “Ultimate Experience”($160.00 土・日・月曜限定)がある。
他にも、土曜日の夕方のGAのみのオプショナルで、館内にある NPG Music Club Room で開催されるDJ Dance Party に参加できるPaisley Park After Dark($60)などがある。
※値段は2017年10月時点。
今回は、VIP Tour に参加させていただいた。


ペイズリーパークに到着して驚いたのが、建物の外観。
奇抜な衣装やオリジナルデザインの楽器などがウリであるプリンスの博物館にしては、あまりにもストイックな外装である。まるで一般企業の社屋の様であり、テーマパークのアトラクションのようなものを期待していたら拍子抜けする。
しかし、建物に足を踏み入れた瞬間に空気が一変する。いかついセキュリティー・スタッフが撮影や録音を出来るものをチェックしており、実に物々しい雰囲気に包まれる。
因みに、ここに掲載している写真は、メディア用にペイズリーパークが提供してくれたものである。


プリンスというミュージシャン


ペイズリーパーク

同行者の一人が「プリンスってそんなに凄いの?どういったところが?」と言った。
主だった実績としては、プラチナアルバムが12作品、トップ40に入ったシングルは30曲。
グラミー賞を6回、アカデミー賞を1回受賞し、2004年にはロックの殿堂に殿堂入り、2007年のスーパーボウルのハーフタイム・ショウに出演している。まだまだ実績を並べることはできるが、これだけでも充分にスーパースターの証であると言えるだろう。
これだけの実績から考えると、確かに日本では過小評価されているような気がする。


プリンスはマルチプレイヤーで、自らの作品ではホーン関連以外の27種類の楽器を演奏している。作詞、作曲、プロデューサーまでこなすマルチぶりである。
プリンスのオリジナルナンバーは、ファンク、ソウル、ブルース、ゴスペル、ジャズなどの黒人音楽をベースとしたグルーブに、ロックの攻撃性も持ち合わせているが、ホーンセクションを自身で演奏できないために、シンセサイザーで代用したことにより、ポップなサウンドに仕上がり、そのサウンドはミネアポリス・サウンドという新しいスタイルを確立したと評価された。
もし、プリンスがホーンセクションも演奏できたなら、仕上がった楽曲はメンフィス・ソウルと大差のないものだったかもしれない。
簡単にホーンのパートをシンセサイザーに置き換えたと記載したが、単純にそのような事を行うとチープな楽曲になってしまう可能性が高いのだが、効果的に楽曲に彩を加えたり、グルーブ感を引き立てた使い方は、プリンスのセンスの良さを象徴している。
ステージアクションはジェームズ・ブラウンが元であることは一目瞭然。それもそのはず、ジェームズ・ブラウンは幼少期からの憧れであったらしい。
ギタープレイに関しては、一聴するとジミ・ヘンドリックスを彷彿する部分があるが、本人は、影響を受けたギタリストとしてカルロス・サンタナとジョニ・ミッチェルを挙げている。エレキギターに興味を持ったきっかけがアイク・ターナーというのも頷ける。ギターのカッティングはずば抜けて上手い。
プリンスの楽曲の中には大御所ミュージシャンの片鱗が見え隠れするが、どこを切り取ってもプリンスのオリジナリティがあふれ出ている。


パープル レイン 展示室 Purple Rain Exhibit


ペイズリーパーク

プリンスの才能にいち早く気づいたミック ジャガーは、既にディスコサウンドを取り入れていた1981年頃のローリング ストーンズのツアーのオープニングアクトとしてプリンスを起用。プリンスはストーンズ・ファンからはブーイングを受けるが、1982年にリリースしたアルバム『1999』でブレイク。
そして1984年にプリンスの自伝映画『パープル・レイン』のサウンドトラックからシングルカットされた「When Doves Cry」「Let’s Go Crazy」がシングルチャートで1位、「Purple Rain」が2位になる快挙。第57回アカデミー賞でBest Original Song Scoreを受賞する。プリンスはグラミー賞よりも先にアカデミー賞を受賞しているのが面白い。
この映画やサウンドトラックは日本でもヒットし、多くの日本人にプリンスの名前が知られることとなった。


ペイズリーパークの館内の大きな部屋【Purple Rain Exhibit】には、映画『パープル・レイン』で使われたバイク、楽器、衣装、プラチナアルバム、そしてオスカー像が展示されている部屋がある。スクリーンには映像が映され、映画で使用された楽曲が流れる。
ガイドがタイミングを合わせてスイッチを入れているのか、部屋に足を踏み入れた瞬間に「Purple Rain」が流れた。


この紫の世界に足を踏み入れて「Purple Rain」のサウンドに包まれると、自然と心が震えた。
それなのに、、、
「Purple Rain」に聴き入り「さあ、ギターソロが来るぞ」と身構えた瞬間、「Purple Rain」は別の曲にクロスフェイドしてしまった。
あのまま、ギターソロに突入していたら、ウルっと来そうなほどに高ぶっていた感情が一気に冷めてしまった。
感情が冷めてしまうと、映画の中ではハーレーと見間違うほど威圧的に見えたバイクは、小柄なプリンスが跨ることができるサイズのバイクで、そのバイクのエンジンに刻まれたHONDAの文字がむなしく目に映った。
これは、「Purple Rain」のギターソロに個人的な思い入れがあるための自己的な感想であり、展示されている物の価値は最高に素晴らしいことには間違いない。


レコーディング スタジオ


ペイズリーパーク

館内にはデモを作成する小さなスタジオもあるが、本格的な大きなスタジオが2つある。一つはアナログのスタジオで、もう一つはフルデジタルのスタジオである。プリンスはデジタルを導入後もアナログのスタジオのハートウォームなサンドが気にいっており、アナログのスタジオも併用していたそうだ。
フルデジタルのスタジオには、ギター&ボーカル用、ドラム用、ピアノ&ベース用の3つのブースがある。一般の方には分かりにくいかもしれないが、複数のパートを同時にレコーディングできるのである。
詳しい理屈やメリットに関しての説明は相当に長くなるので省略させて頂く。


アナログ スタジオで記念撮影


アナログ スタジオで記念撮影アナログスタジオの壁面に大きなプリンスの写真があり、VIP Tour やUltimate Experience は、その横で記念撮影をしてくれる。
撮影機材はペイズリーパークのもので、自分のものは持ち込めない。撮影してもらった画像は、持参したUSBか、$10.00で販売しているペイズリーパークのロゴが入った紫色のUSBに入れてくれる。
スタジオで唯一の個人的なフォトショットである。
今回は、グループショットとアランがプリンスを見上げているカットだけ撮ってもらったが、更に個々だけのショットも撮ってもらえる。
 
館内には、プリンスが手掛けるミュージシャンのライブができるホールもある。たまにプリンスもステージに上がっていたそうだ。
そして、DJ Dance Party が開催される NPG Music Club Room も見学できる。
とにかく見応えのある展示で溢れているが、プリンスの活動方法が独特だったため、各時代の展示に変化があって飽きない。プリンスファンなら、100分のツアーも「もう終わり?」と思うかもしれない。
出口付近にグッズショップがあったが、財布を車内に置いてきてしまったために、見ないようにした(笑)
グッズの内容は公式ホームページの「Exclusive Merchandise」をご覧ください。
Paisley Park

ファーストアベニュー First Avenue


ファーストアベニュー
ファーストアベニューミネアポリスのダウンタウンにファーストアベニュー(First Avenue)と言うライブスポットがある。プリンスも出演していた。
また、映画『パープル レイン』のロケ地で有名。
プリンスが亡くなった時、ペイズリーパークだけでなく、ファーストアベニューの壁に書かれたプリンスの星印の前に多くのファンによって花が供えられた。
今回、ペイズリーパークからホテルへ向かう時にアランが連れて行ってくれたので外観を撮影することができた。
残念ながら、この日はライブが無い日だったので、中の様子は見ることができなかった。

I will dedicate this report to the deceased Osamu Ishida. 3Q ! Ishiyan !


ミシシッピ・リバー・カントリーUSA  Meet Minneapolis


  03. ミレ二アム ホテル ミネアポリス に続く


01. ミネソタ,ウィスコンシン,イリノイを旅する
02. ペイズリーパーク03. ミレ二アム ホテル ミネアポリス
04. ミシシッピリバーでカヤック05. セントポール 市内散策
06. ミネアポリス 市内散策07. モール オブ アメリカ
08. ハードロックカフェ09. スカイウエイを歩いて朝食へ
10. レッドウイング11. ウィノナ
12. ハンプトン イン & スイーツ13. ラ クロス
14. アウトドア レクレーション アライアンス
15. レッド パインズ16. レインボー リッジ ファーム B&B
17. ノースクデールン・ネイチャー & ヘリテイジ・センター
18. アイランド アウトドアズ でカヌーを体験
19. Shenanigans Entertainment Center & Sports Bar
20. クレメンツ フィッシング バージ21. プレーリー・ドゥ・シーンへ
22. ポトシ・ブリュワリー23. LonghollowでZipline
24. アイリッシュ コテージ ブティック ホテル
25. フライド グリーン トマトズ26. ガリーナ トロリー ツアー
27. チェスナット マウンテン リゾート28. JW Marriott Chicago
29. 360 Chicago30. ゴスペル ブランチ
31. シカゴ 建物見学クルーズ32. グルメな街 シカゴ

ペイズリーパークの場所と行き方


Paisley Park 7801 Audubon Rd, Chanhassen, MN
ミネアポリス・セントポール国際空港からペイズリーパークへ車(レンタカー)で行く場合の一例


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