ホエールウォッチングの名所「ダナポイント」



毎年、約20,000頭に及ぶコククジラが、ベーリング海からメキシコのバハカリフォルニアまでを移動しながら繁殖活動を行うのですが、南カリフォルニアの海域はちょうどその通り道にあたります。特にここダナポイントの海岸から5マイル以内には、海洋生物の広大な生態系があり、クジラやシャチ、イルカなど、1年を通じてさまざまな海獣が姿を現すことで知られています。コククジラの回遊は12月から4月がハイシーズンで、5月から10月にかけては体長が31メートル以上に達する巨大なシロナガスクジラに遭遇することもあるそうです。イルカウォッチングは通年可能で、運が良ければ10,000匹に及ぶイルカの群れと出会うことも珍しくないとのこと。私たちもイルカに会いたくて、早速ウィルさんのクルーザーに乗り込みました。
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港を出てすぐ、ブイの上で休むアシカの群れに出会えましたが、どうしたわけかイルカの群れにはなかなか出会えません。

海風は冷たくて気持ちいいのですが6月の陽射しは暑く、海の照り返しも相当なものです。沖合に出て1時間程過ぎたころに少し離れた波間を泳ぐ数頭のイルカを見つけますが、そこからまた延々と会えない時間が続きます。自然相手ですもの、こんな日もありますよね…。

そして3時間のツアーも終わりに近づき、ちょっとだけ諦めかけていたその時、ウィルさんが波間を指さしながら声を上げました。何と!ボートの間近を泳ぐ親子連れのイルカが!! 良かった~!これで思い残すことなく出発できます。今日の行先はマリナ・デル・レイのマリオット。この旅の出発点に戻ります。
真赤なジャガーに真赤なピンヒールの夢はつづく

8日前の朝、ちょっぴり不安な気持ちを抱きながらここを発ったのが、随分前のことように感じられます。全走行距離、約830マイル(約1,328㎞)。今ではフリーウェイの出口をうっかり通り越してしまっても慌てません。「それじゃぁ、次の出口で降りてUターン…」と、手慣れたものです。それだけに、最後まで気を抜かず、味わいながら走ります。そして、今日まで頑張ってくれた“ROGUE”にお礼と別れを告げながら心に誓いました。
「また来るから」。今度こそ、真赤なジャガーに真赤なピンヒールです。

神戸マダムが走る!南カリフォルニア・ロード・トリップ おわり
大安佐智 プロフィール

雑誌・web等に国内外の旅情を紹介するほか、舞台・映画などの脚本を手掛ける。
果て無く広がる青い空を見上げる。ただそれだけで、魔法に掛ったみたいに身体の奥底から元気が湧いてくる。その青空の中を、太陽の光を浴びてキラキラと輝きながら飛んでいく飛行機の姿があればもっといい。「そんな所で何してるの?早くおいでよ」。飛行機が私に語り掛けてくる。そして、私でも何か出来る!という勇気を与えてくれる。これが子供の頃から変わらない、私の元気の源。
ダナポイント(デイナポイント)の場所と行き方
Dana Point Pier Dana Point, CA
ロサンゼルス国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例
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