メンフィス Home of the Blues and the Birthplace of Rock ‘n’ Roll

18年08月07日
Link-USA

メンフィス アメリカ音楽好きのあこがれの地


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メンフィスは、アメリカ音楽の中でブルース、ソウルミュージック、ロックンロールが好きな人にとって、一度は行ってみたい街の一つだろう。何故なら、ブルースはこの街で育ち、ソウルやロックンロールはこの街で産まれたと言われているからだ。
ブルースはメンフィスがあるテネシー州や、さらに南にあるミシシッピ州で演奏していたブルースメンがメンフィスビールストリートに集まってきた。その頃はアコースティックギターなどで弾き語るスタイルだった。メンフィスよりも北にあるシカゴで黒人労働者を必要とする産業が成長するにつれて、多くの黒人労働者がシカゴなどに移る際に、メンフィスに居たブルースメン達もシカゴに移住し、楽器がエレキ化されシカゴブルースへ発展していった。代表的なシカゴブルースのブルースマンの中に、ビールストリートで演奏していたというブルースマンは少なくない。
ソウルミュージックは、メンフィスで産まれ、デトロイトが自動車産業で発展し労働力を必要とすると、黒人労働者と共にミュージシャンもデトロイトへ流れて行き、その後はモータウンサウンドと呼ばれるソウルミュージックへとなった。しかし、デトロイトで演奏されていた初期のソウルはゴスペルをベースとしたメンフィススタイルのソウルミュージックが多く、サザンソウルと呼ばれていた。
ロックンロールの誕生に関しては諸説があるが、音楽の一つのスタイルとして注目され、当時の若者たちの間で流行したきっかけを作ったのは、エルビス プレスリーである事は間違いなく、デビュー曲である「That’s All Right 」をレコーディングしたのがメンフィスサンスタジオであったことから、メンフィスがロックンロールの生誕の地と言われている。


メンフィスと自分


メンフィスはこのような音楽の街なので、アメリカ音楽が好きな人にとって、一度は行ってみたい街の一つだろうなんてことを冒頭に書いているが、音楽好きの自分が実際にメンフィスへ行くのは今回が初めてである。若い頃には行く余裕もなく、おっさんになってからも、シカゴメンフィスニューオーリンズは一度は行ってみたいと漠然と思っていただけで、なかなか行動にうつせていなかった。
それが、孫ができて じいさんになってから、メンフィスへ行きたいと思う出来事がいくつか起こり、以前よりも行きたいと思う気持ちは強くなった。


ぼちぼちいこか/上田正樹と有山淳司今から40年ぐらい前の事になるが、高校生の時に先輩にこれを聞けと『ぼちぼちいこか/上田正樹と有山淳司』というレコードを渡された。70年代中頃にブルースを大阪弁で歌うという、いわゆる関西ブルースと呼ばれたジャンルの音楽が産まれたが、このアルバムはその中の代表的な一枚であった。大阪弁の歌詞で、いくつかの曲に、道頓堀、北新地、御堂筋、梅田、なんばなどの大阪の地名がちりばめられているので、大阪出身の僕は、すぐにその世界に引き込まれた。曲調はブルースだったりラグタイムであった。

この熱い魂を伝えたいんや/上田正樹とサウス・トゥ・サウス先輩が次に貸してくれたアルバムが『この熱い魂を伝えたいんや/上田正樹とSOUTH TO SOUTH』というライブ盤で、ソウルやリズム&ブルースのオンパレード。アレサ フランクリンやオーティス レディング、そしてエルビスのカバー曲なども入っている。このアルバムが気に入った理由は後々に気付くのであるが、リズムに体が反応していたのだ。耳で聞くのでなく、体で感じていということだろう。中でも、ラスト曲の「お前を離さない」という曲のノリが凄くて大好きな曲になった。後にこの曲がオーティス レディングと言う人の「Can’t Turn You Loose」であると知り、オーティス レディングを聞くようになった。

若い頃は全く理解してなかったが、この2枚のアルバムに収められている多くの曲がデルタブルース、ラグタイム、サザンソウル、リズム&ブルースなどのメンフィスミュージックだったのである。この2枚のレコードを通じて、オリジナルではないけど、メンフィスミュージックが10代の頃に刷り込まれていたのである。


なにわブルースフェスティバル数年前に関西ブルースを継承するための団体ができて、2016年から一年に一度”なにわブルースフェスティバル“というイベントを開催するようになった。このイベントのメインミュージシャンは前出の2枚のレコードのバンドメンバーの一人である有山じゅんじさんで、40代から有山さんと親交がある僕もこのイベントをお手伝いすることになった。そして、2枚のアルバムを改めて聞いていると、メンフィスの音楽をもっと掘り下げてみたいと思った。
それと、有山じゅんじさんのライブのお手伝いをしている時に時々、『ぼちぼちいこか』と『この熱い魂を伝えたいんや』を僕に貸してくれた先輩はどうしているんだろうと思い出すことがあったが、実際には連絡する事は無いまま日が経っていた。それが、昨年にその先輩が亡くなったという話を聞いた。まだ50代半ばという年齢もあったが、死因が風邪をこじらせたという嘘のような話に驚いた。先輩の訃報とメンフィスへ行きたいという気持ちに直接的なつながりはないが、「会いたいと思う人と会っておくべき。行きたいと思う所へ行っておくべき。やりたいと思う事をやっておくべき」と思った。そう思うと、やはりメンフィスへは行っておくべき場所だと思った。
他にもメンフィスへ行きたいと思う出来事が50代になってから起こるのだが、それは他のページで書くとしよう。

次回 ⇒ 2. WiFiルーターと翻訳機 ili に続く


 ミシシッピ・リバー・カントリーUSA  Memphis Tourism


  1. メンフィス Home of the Blues and the Birthplace of Rock 'n' Roll
  2. WiFiルーターと翻訳機 ili
  3. メンフィス国際空港 Memphis International Airport
  4. サウス・メイン・ストリート S Main Street
  5. ブルース ミュージック アート ミュージアム Blues Music Art Museum
  6. ビールストリートへやってきた
  7. ギブソンギター メンフィス工場の現状
  8. ビールストリートを歩いてみる
  9. マディソン ホテル Madison Hotel
 10. 夜のビールストリート
 11. アーケードレストラン The Arcade Restaurant
 12. ナショナル・シビルライツ博物館(国立公民権博物館)を見学
 13. ブルースの殿堂博物館(Blues Hall of Fame Museum)へ
 14. セントラルBBQでランチ
 15. サウス・メインストリート歴史地区 South Main Street Historic District
 16. グレースランド エルビス プレスリーのテーマパーク
 17. メンフィス ドラムショップ Memphis Drum Shop
 18. Railgarten Ping Pong
 19. ビッグ・リバー・クロッシング ミシシッピ川を渡る
 20. イッタ・ベナ・レストランでディナー
 21. ビール・ストリート・ランディングに行ってみた
 22. リバーウォークとリバーサイドドライブ
 23. Temple of Deliverance の礼拝を見学
 24. メンフィス・ロックンソウル博物館でメンフィスの音楽に関して学ぶ
 25. クロスタウン コンコースでヘルシーランチ
 26. シェルビー・ファームズ・パークでサイクリング
 27. 日曜日 午後のビールストリート
 28. Memphis Blues Trail 61 のサイン
 29. ピーバディ メンフィスのダッグマーチ
 30. ピーバディ メンフィスのランスキーブラザーズ
 31. バスプロショップス・アット・ザ・ピラミッドのLookOut
 32. フライト レストラン & ワインバー でディナー
 33. ラム・ブギー・カフェでグッドミュージックに浸る
 34. カフェ キーオでヨーロピアン・ブレックファースト
 35. サンスタジオを見学 2階の展示スペース
 36. サンスタジオを見学 レコーディングスタジオ編
 37. コットンミュージアムでメンフィスの歴史を学ぶ
 38. テネシー ウェルカム センター に寄ってみた。
 39. Gus's Fried Chicken 世界的に有名なスパイシーフライドチキンの店
 40. スレイブヘブン博物館で黒人奴隷の逃亡について学習する
 41. Lansky Bros. Clothier to the King
 42. メンフィス音楽大殿堂博物館を見学
 43. ザ ビューティー ショップ でディナー
 44. ブルー プレート カフェ Blue Plate Cafe
 45. オーバートン・バークへ行ってみた
 46. オーバートン・スクエア ミッドタウンのランドマーク
 47. オーバートン・スクエアの周辺
 48. スタックス博物館でオーティス レディングを思う
 49. ウィリー ミッチェルズ ロイヤルスタジオを訪問
 50. ローレンス“ブー”ミッチェル氏
 51. 約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~
 52. ロイヤルスタジオ <番外編>
 53. チャールズ ベルゴズ ランデブーでバーベキューリブをいただく
 54. メンフィス探訪 2018 まとめ


メンフィス ビールストリート の場所と行き方


Beale Street 
メンフィス国際空港から車(レンタカー)で行く場合の一例。

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 ⇒ メンフィス 観光ポイントの一覧